中国では近年になって、様々な流派と様式の展覧会が日増しに増えつつあります。展覧会は映画鑑賞や本屋巡りのように、文化的な需要として中国人の日常生活に浸透しています。そのような中、「キュレーター」という新しい職種が芸術展の開催において、極めて重要な役割を果たしており、人々に認知されてきています。

   十数年前からキュレーターとして活動している楊少波さんは、その役割について「一般の人々に芸術の現場を知ってもらい、理解してもらうことが目的だ。芸術家たちが表現するものは自らの意識を強調するものであるため、鑑賞者との間に『通訳』が必要となってくる。キュレーターは芸術家の言葉をただ翻訳するのではなく、鑑賞者に芸術家とその作品を理解する手段を与えている」と語っています。

   キュレーターという言葉は1970年代に西側諸国で生まれたもので、当初は博物館や美術館で所蔵品に対する研究を行う専門職を指していました。1990年代から、中国の芸術界で展覧会を組織するキュレーターが現れ、20年間の発展を経た今、社会的に認めら、必要とされている職業として定着するようになりました。

   展覧会の愛好者である薛さんは「展覧会を成功させるには作品そのものに限らず、全体的な企画が重要な決め手となる。作品の選別、光と影の応用、全体的な配置、記念グッズなどの全てが観客の体験に影響を与えている。良いキュレーターになるには、総合的な能力が必要だ」と語りました。(洋、星)